カイロプラクティック神経学のためのまとめノート(眼球運動編)
〔眼球運動の用語〕
elevation:上方への動き
depression:下方への動き
adduction:内方への動き
abduction:外方への動き
intorsion:Y軸中心に内まわり、目の上端が鼻の方へ回旋
extorsion:Y軸中心に外まわり、目の上端が鼻から離れる方へ回旋


〔外眼筋の機能(primary,secondary,tertiary)〕
上直筋(SR) elevation, intorsion, adduction
下斜筋(IO) extorsion, elevation, abduction
内直筋(MR) adduction
外直筋(LR) abduction
下直筋(IR) depression, extorsion, adduction
上斜筋(SO) intorsion, depression, abduction
上記に外眼筋の作用を示したが、眼球運動は複数の外眼筋が共に作用する。
例えば、上を見るときは場合は、上直筋・下斜筋が共に作用する

どちらの働きが強いかは、側方の位置によって変化する
外側を見た状態から上側を向く場合は主に上直筋が強く作用する
内側を見た状態から上側を向く場合は主に下斜筋が強く作用する

わかりやすく図にまとめると

このように左右の位置によって上方、下方に動かす優位な筋が変わってくる。
眼球運動検査(H字検査)でH字を書いて順序よくこれらをチェックしていく。
[内転時と外転時の4つの垂直眼球運動筋の作用のまとめ]
SR(adduction)intorsion(abduction)elevation
IO(adduction)elevation(abduction)extorsion
IR(adduction)extorsion(abduction)depression
SO(adduction)depression(abduction)extorsion
H字検査のほかにも対角線上の動き、左右の動きのチェックする方法もある
カイロプラクティック神経学はこの方法を使う。
眼振がないか、overshootしないか、眼球運動の最終域でintorsion,extorsionしないかなどなど、正常に機能しているか注意深くチェックします。

Mechanical advantage(primary,secondary,tertiary)
(SR) elevator,abductor,extortor
(IO) elevator,addctor,intortor
(IR) depressor,abductor,extortor
(SO) dpressor,adductor,intortor
〔外眼筋の支配神経〕
CN3・・・SR,IO,MR,IR(この4つのEOMsに加え、上眼瞼挙筋、毛様体筋、瞳孔括約筋も支配)
CN4・・・SO
CN6・・・LR
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〔CN3,4,6の麻痺〕
動眼神経麻痺(oculomotor nerve palsy)、第3脳神経麻痺(3rd palsy,CN3 palsy)
①SR,IO,MR,IRの麻痺がおこる。
LR,SOのトーンは維持されているため、眼球は代償的に外下方へ変位。
②上眼瞼挙筋、毛様体筋、瞳孔括約筋の麻痺がおこる。
眼瞼下垂、対光反射消失、散瞳がみられる。
右CN3麻痺の場合
(正面視)

右目は右側へ偏倚している(LR,SOのトーンは維持されているため)
(ptosis)

右側のまぶたが下垂する(上眼瞼挙筋が麻痺するため)
(右上をみる)

右上を見ようとしても右方には動くが右上方には動かない(SRは麻痺、LRは正常に機能する)
(右下をみる)

右上を見ようとしても右方には動くが右下方には動かない(IRは麻痺、LRは正常に機能する)
(左をみる)

左を見ようとしても中央までしか動かない(MRは麻痺、LRは抑制されている)
輻輳でも内側に動かない(MLF症候群では輻輳は内側に動く)
(左上方をみる)

左上方を見ようとするが中央までしか動かない(IO,MRは麻痺、LRは抑制されるため)
滑車神経麻痺(trochlear nerve palsy)、第4脳神経麻痺(4th palsy,CN4 palsy)
階段を下りる、本を読むなど視線を下に向ける動きが困難になる。
(図正面)


右目は上方へ偏倚している(SOが麻痺、拮抗筋のSR,IOのトーンは正常のため)
(左下方をみる)

外転神経麻痺(abducens nerve palsy)、第6脳神経麻痺(6th palsy,CN6 palsy)
(正面視)

LRは麻痺、拮抗筋のMRのトーンは維持されているため右目はaddaction
(右をみる)

LRは麻痺、MRは抑制されるため右目は正面までabdaction
[三半器官と小脳と眼球運動(VOR)]

R anterior canal (R)SR (L)IO
R horizontal canal (R)MR (L)LR
R posterior canar (R)SO (L)IR
(R cerebellum)

(イラスト解剖学の図を参照。対側の半規管は発火頻度が減少し、同様のシナプスを介し、図の働きを助ける)
(訂正:図の数字5は6に訂正)
〔三半規管〕

右前半規管と左後半規管は同じ面に位置しているため機能的なペアになる。
まとめると
L horizontal canal—R horizontal canal
L Anterior canal—R Posterior canal
L Posterior canal—R Anterior canal